【植物と歴史】ニッコウキスゲ(ゼンテイカ)

2024年6月下旬、下北半島にて園芸用と思われるゼンテイカを見る機会があった。曇り空と対比するように生き生きと咲いていた。

ゼンテイカと呼ばれるその植物は、ニッコウキスゲといった方が馴染みがあるだろう。ニッコウキスゲは日本の本州中部地方以北から東北地方にかけて自生する植物である。

文献等を読み進めていると、京都や滋賀でも発見されている。また海外に目を向ければ、ロシアの樺太にも分布すると考えられているそうだ1)

海岸沿いや高地に分布することが多く、多年草だが、一日花として知られるこの花は、朝に咲いて夕方にはしぼんでしまうらしい。時期は6月〜7月が見頃とのことである。
食用にも向いており、おひたしやお吸い物にもできる。そのため、シカによる獣害も北海道では報告されている。

ここで歴史について考えると、東北、北海道を旅した二人の人物について思い浮かぶ。イザベラバードと菅江真澄である。

イザベラバード
以前から知っていて、「イザベラバードとサムライボーイ」という小説も見たことがあった。横浜から出発し北海道まで旅したイギリス出身の伝記作家である。

菅江真澄
以前、秋田県立博物館を訪れた際に、菅江真澄の展示を見る機会があった。彼は、今の愛知県で生まれ、30歳で旅をし、東北地方、北海道各地を旅して歩いたのである。

きっと彼らもこれらの植物を見て心癒されたことだろう。

【参考文献】
1)村田 源, 高原 光, 本城 尚正 ゼンテイカの分布南限域における新産地 植物分類,地理 46 (2), 212-213, 1995 日本植物分類学会

2)村田 源, 高原 光, 本城 尚正 ゼンテイカの分布南限域における新産地 植物分類,地理 46 (2), 212-213, 1995 日本植物分類学会

3) 『山』(204),朋文堂,1953-05. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/3565248 (参照 2024-08-14) 第204号

4)鈴木静夫, 山本光子 共著『楽しいキャンプの山菜料理』,山と渓谷社,1963. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2501786 (参照 2024-08-14) P138-139

5)石田光 , 我妻尚広 , 岡本吉弘 北海道におけるゼンテイカの葉緑体ゲノムの遺伝的多様性(平成25年度年次講演会一般講演) 育種 ・作物学会北海道談話会会報 54 (2013)

6)山想花(sansouka)ブログ:sansouka

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