秋の食材として、栗は代表選手と言ってもいい存在だ。炊き込みご飯も好きで、茶碗蒸しに何気なく入っている栗なんかも私は好きである。今回は栗についての記事を書こうと思った。きっかけは、2024年7月12日 ~ 2024年9月23日まで開催中の三内丸山遺跡センター5周年記念特別展 第2部「海がむすぶ縄文ー津軽海峡と三内丸山ー」を訪れたことである。第1部も訪れていたため、第2部も足を運んだ。
その展示で興味深い展示物を見つけた。以下にまとめる1)。
「本州では、草創期にクリの木材としての利用が、早期には西日本を中心にクリの実の利用が確認されている。 (途中省略) 一方、北海道には元々クリの木は自生していなかったと考えられている。しかし、前期末期になるとクリの実や木材、花粉が津軽海峡に面した木古内町や函館市の遺跡から出土するようになる。」
私たちが身近にある栗は、元々北海道にはなく本州だけで利用されていたのである。
私が住む地域では、田舎などでは栗の木や柿の木などを植えているお家が多い。近年では、熊による獣害も報告されているため伐採も進んでいるというニュースも目にする。昔は、貧しく食べるものがなかったため、庭に果物の木を植えてそれを食べていたということを耳にしたことがある。これは、1万年前の縄文時代から続く文化なのかと一人思いを馳せ、またそう思うとなぜか懐かしい気持ちになった。
【参考文献】
1)特別展「海がむすぶ縄文ー津軽海峡と三内丸山ー」展示図録、発行日:2024年7月12日、編集・発行:三内丸山遺跡センター
2)植生史研究 第18巻 第2号 p. 65–76、吉川昌伸 1:クリ花粉の散布と三内丸山遺跡周辺における 縄文時代のクリ林の分布状況
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